黒い花が心と体に及ぼす効果

黒のイメージ

みなさんは黒という色を見てどんなイメージをもたれるでしょうか？
数年前、結婚式帰りとみられる方々の手に真っ黒な引き出物の袋を見たときは驚きました。
他にも去年頂いた結婚式の招待状は、白い封筒から出てきたカードが真っ黒でした。
ブライダル以外でも黒の人気は高いようで、黒を使ったスイーツや家電も珍しくありません。黒い飛行機やトイレットペーパー、マスクなどが登場した際は少々びっくりもしましたが、ここ数年、死・闇・影などといったイメージが強かった黒の印象が徐々に変化してきているのを感じます。
もはや黒は高級感があっておしゃれでカッコイイ、無くてはならない定番カラーになりつつあるようです。

黒が黒く見える理由

黒を上手に使いこなすには、黒がなぜ黒に見えるのかを知っておくとよいと思います。
赤いリンゴが赤く見えるのは、そのリンゴが私たちに赤を感じさせる光だけを反射し、それ以外の光を吸収しているから。白い紙が白く見えるのは、その紙がほとんど全ての光を反射しているからです。
では、黒はなぜ黒いのかというと、その物体がほとんど全ての光を反射せず吸収してしまっているからです。
つまりほとんどの色が光の反射によってもたらされているのに対し、黒という色は光を反射しない特殊な色だといえるのです。
全ての光を吸収する色だからこそ、引き込まれるような魅力や存在感を感じるのです。

自然界と黒

自然界では本来真っ黒い生き物は存在しません。一見真っ黒に見えるカラスの羽もよく見ると漆黒の黒ではありません。
黒い花を持つ植物も大抵は濃い紫だったり、茶色だったりと完全な黒ではないことがほとんどです。
太陽の光を必要とする生き物たちは、必要な光を効果的に取り入れるために真っ黒は身に着けません。
そう考えると、本当に光を通さないような黒を使いこなしているのは私たち人間だけのようです。

黒の効果

黒がもたらす効果としては、見た目の高級感や重厚感。玄人っぽく見せる効果。他にも実際の見た目より小さく見せるという効果もあります。
囲碁に使われる白い石と黒い石の大きさが違うことはご存知でしょうか。
膨張色である白い石と収縮色である黒い石を同じ大きさにしてしまうと、白い石の方が大きく見えてしまうため、バランスをとるために黒の石が少し大きくしてあるのです。
また、黒は重みを感じる色でもあります。同じ重さの荷物でも白いものとくらべると1.5倍にも重く感じるという実験結果も出ています。
やせて見せたいから黒を着るという方がおられますが、効果を出すなら重みを感じさせないデザイン選びも重要なのです。

全てを吸収し受け止めてくれる色

みなさんの箪笥やクローゼットにも黒い服が何枚か入っていませんか？
喪服以外に黒い服を持っていないという方にはなかなかお目にかかりません。
黒を好んで着る方の中には、黒を着ると気持ちが落ち着くという方がおられます。
そんな話を聞くと、第2の皮膚である洋服に黒を選ぶことで、外からの様々な刺激から鎧のように守ってくれる働きがあるような気さえします。
カラフルな色を受け入れるにはパワーが必要です。色の刺激が受け入れがたいような時は、全てを吸収し受け止めてくれる黒が心地よく感じるのでしょう。
黒が大変好まれる昨今。黒がおしゃれでカッコイイという理由以外に、現代の複雑な心理状況が自然と黒を求めているのかもしれません。

黒い花

最近では植物の品種改良も進み、以前は無かったような黒い花も見かけるようになりました。このような花はアレンジの中のアクセントや引き締める色として使うとよいでしょう。
1輪でもインパクトがありますし、個性的な演出をしたい時、人とは違ったプレゼントをしたい時などは黒い花を引き立てるようなアレンジやいけ方をするとおもしろい仕上がりになります。
ただ、人によっては黒に対してマイナスのイメージを抱くことがありますので、飾る場所、送る相手には十分な配慮が必要です。

黒い品種がある花

カーネーション	カラー	スカビオサ	アンスリウム
ユリ	チューリップ	バラ

その他にも、様々な花があります。

黒い花が心と体に及ぼす効能


鎮静効果	抗ストレス効果

色の紹介者

江岸可織
岩国市出身。カラーリスト＆インテリアコーディネーター。
ＯＬ時代「自分に似合う色が知りたい」と思ったことから色に興味を持ち一念発起。
会社を退職し数々のアルバイトをしながらカラーとインテリアの資格を取得。
リフォーム会社、建材会社に勤務した後、フリーランスに。色がもたらす様々な効果や色のおもしろさ、奥深さを伝えるべく活動中。

ブログ:「色で変える！キラめく毎日のススメ」http://ameblo.jp/iroya-168/