皆様 こんにちは。 いよいよ春ですね。普段に比べると若干気温が低いようですが、甲子園からは若さの熱気が伝わってきます。また各地から「桜」の声も聞かれ始めました。毎水曜日、季節の花情報をお届けしているNHK広島放送局の「ひろもり」も2週間お休みをいただき、新しいキャスターを迎えて新年度スタートです。
然し、この時期は沢山の花に会えます。広島の中央市場花き部では、切り花・鉢花・植木を扱っています。一年の4回程「植木大市」も開催されます。その中で一番季節感を未だ持っているのが「植木」です。切り花では見ることが出来ない「花木」が様々出荷され、私たちの目を潤してくれます。
私が個人的に好きなのは「鶯神楽」(ウグイスカグラ)です。転訛して「ウグイスカズラ」となったとも言われています。スイカズラ科の植物ですが、カズラ(蔓)ではありません。
日本原産です。広く北海道から四国、九州に自生します。どちらかと言うと、日当たりを好み、太平洋沿岸に多く分布します。花は4月~5月に咲き、6月に熟し液果で赤い実を付けます。樹高は1,5m~3mとなり、ご家庭で楽しめる大きさです。同じ仲間にヒョウタンボクと言うのがあります。ヒョウタンのような実が付きます。この実は有毒なので、間違わないように気を付けてください。
ウグイスカグラの名前の由来ですが、鶯の鳴く頃に花が咲きます。カグラは、「鶯隠れ」が転訛したものだとも言われています。また、花の蜜を鶯が吸う姿が、まるで神楽を舞っているように見えるからかも知れません。鶯に関わり合いの深い植物かもしれません。
突然ですが、北海道に旅行をされたことがおありでしょうか?沢山美味しい食べ物があります。その中に「ハスカップ」と言う木の実があります。実はこれは「クロミノウグイスカズラ」なのです。意外なところで会うことが出来ます。また語源もアイヌ語のハシカブから来ているそうです。ラテン文字表記で「HASKAOP」と表します。HAS(ハシ)は枝、KA(カ)は表面、O(オ)は実る、P(ブ)はものを表し、「枝の表面に実るもの」意味するそうです。不老長寿の秘薬としても有名ですね!私も試しに食してみようかと思っています!?
それはさて置き、茶花としても「鶯神楽」はよく使われます。可憐なピンクの花を付け、茶室にはうってつけの花です。侘び寂びを表現するに相応しい色合いの花です。名前の由来も良いのかもしれません。
茶花の中には、私達とはあまり接点のない花が多く有ります。然し、400~500年くらい前には人々の周りに自然にあった花なのです。現在、様々な活動で山林を整備し、自然を取り戻すことを行っておられます。手を掛けることで、以前の里山を取り戻して、多くの花々が身近な花になるのはいつのことなのでしょうか?楽しみに長生きをしたいと思います。(児玉)
2012年4月4日
皆様 こんにちは。 一年は早いものですね。日本の各地で鎮魂の一年を過ごされたことと存じます。未曽有の出来事が起き、未だ行方の知れない方々も多くいらっしゃり、御親族の方々には御心痛の日々をお過ごしとお察しいたします。
然し、季節は移り、また春が巡って参りました。この時期には、情報で桜の開花予報が流れてきます。最近の寒さで若干遅れ気味ですが、早い所では3月下旬から咲き始め、一気に日本を駆け巡ります。日本の代表的な花木として、古の頃から私たちの周りにあります。農耕民族の私達とっては、季節の時計として欠くべからざる植物なのです。桜に限ったことではないのですが、田植えの季節を知るうえではとても大切な花木なのです。
その桜を見る事を楽しみに、毎年この時期は心が躍ります。やっと来た春を謳歌したいと思うのです。私事で恐縮ですあが、昨今は年と共にフットワークがきかなくなり、気が付くといつの間にか桜が散っています。そんな私に最適なのが「八重桜」です。
通常の桜に比べ、開花が約2週間遅く、如何な私でも「花見」が出来ます。八重桜は総称して「里桜」と呼ばれます。概ね私達人間によって品種改良されたものなのです。花弁の数が魅力で、金沢の兼六園には「兼六園菊桜」と言う品種があります。この桜は花弁が多く、約300枚の花弁を持つと言われています。圧巻です!また、大阪と広島の造幣局には、桜の並木通りがあります。広島の造幣局は、八重桜が植樹されており、50種以上の品種が230本近くあります。季節になると多くの市民の目を和ませてくれます。
珍し品種としては、「オオテマリ」・「ベニオオテマリ」があり、来場者の皆様の目を引いています。また、黄緑の花を持つ「ウコン」・「ギョイコウ」と言う品種もあり、一見の価値があります。今年は寒さの影響で、4月中旬の開催としかお伝え出来ないと造幣局の方がおっしゃっておられました。是非時間を見つけて、八重桜の宴をお楽しみください。
私達が思っている以上に、バラ科の桜はデリケートなものです。植樹されている桜は、根元を踏まないようにと言われます。根の発育には良くない様です。また切り花の場合は、沢山の花を咲かせなければならず、より多くの水分が必要になってきます。表皮を剥いだり、切り口を十文字に切ったりすることにより、より多くのの水分を吸い上げ、花をたっぷり咲かせてくれます。お花見も家庭で楽しめます。
日本を代表する「桜木」を、存分にお楽しみください!!(児玉)
2012年3月17日
皆様 こんにちは。今週になり、少し春らしさを感じる日がありますが、まだ春はもう少しさきのようですね。今週、来週辺りは三寒四温の様相を呈してくるようです。そんな中、今週は「スズラン」をご紹介しましょう。
ユリ科の植物です。キミカゲソウ(君影草)と言う別名があります。中部地方以北の本州、北海道、またアジア北部に分布します。白い小さな花を5~10個付け下向きに咲きます。今、私たちがよく見る「スズラン」はドイツスズランです。前述のスズランより、ドイツスズランは花が大きめで、芳香が強く、葉は丸みを帯びています。
私達の生活の場所「広島」にもスズランは定着しています。毎年5月に、ANAの客室乗務員が、市内の施設に「スズラン」を届けてくださいます。それをニュースで見ると、今年も「スズラン」の季節だなと思います。私共には香りは届きませんが、受け取られた人の香りに魅せられて表情は、画面から察することが出来ます。
白い小さな花、下向きに咲いていても存在感があります。そんな「スズラン」は、男性が花束にしても恥ずかしくない「花」の一つだと思います。バレンタインのみならず、ホワイトデーにも相応しいと思います。
管理は、至って簡単です。今回出荷されているスズランは、根のついている状態です。飾る時、少しだけ根をまっすぐにカットして水につけてください。従来の花の寿命が約倍に伸びます。一度お試しください。上手くすると、花が終わった後、鉢植えになるかも?
今回は、赤いニューサイランと合わせて、アレンジを行ってみました。ニューサイランの強さが、スズランの優しさをより強調してくれています。か弱きものには、か弱きものをとも思いましたが、か弱きものに強きものを取り合わせてみました。互いの個性を引き出す効果的な方法です。
植物の多くは毒を持っています。「スズラン」もその例外ではありません。根には毒性があります。呉々も気を付けてください。
でも「スズラン」の花の美しさには敵いません。季を楽しませてくれる様々な花、私たちに心のゆとりを与えてくれる大切なパートーナーです!(児玉)
2012年3月15日
皆様 こんにちは。雨水も過ぎ、間もなく啓蟄を迎える頃となりました。早いものですね。もう三月になろうとしています。一月は行く、二月は逃げる、三月は去ると言われていますが、まさにその通りですね。年を取ると余計にそれを感じます。困ったものです。まだやりたいことが山ほどあるのですが!
先週は、広島花の祭典が開催されました。お陰様を持ちまして、盛会の裡に終わることが出来ました。花の多さに来場者の感嘆の声も頂き、ひと時を「花」で和んで頂けたかと思います。お忙しい中ご来場頂きまして誠に有難うございます。今後も「花」との時間を皆様にご提供できるように頑張って参ります。今後ともよろしくお願いします。
今週は、橙色の可愛い花「サンダースソニア」を紹介します。ユリ科の植物なのですが、とても花の表情が素敵です。釣鐘状に花を付けます。南アフリカが原産と言われ、一種からなる花です。1851年に発見され、発見者の名サンダースを頂き、「サンダースソニア」と命名されたようです。花持ちは約1週間です。地植えの場合、花数が多いため(9輪から10輪)徐々に下のほうから咲いてきます。そのため、全体では約一か月と言う長期に花が楽しめます。
原産地の南アフリカあたりでは、12月(クリスマスあたり)に咲くため、「クリスマス・ベル」と呼ばれています。「チャイニーズ・ランタン」の別名もあります。花の特徴を良く掴んだ命名です。
続いて「リューココリーネ」をご紹介しましょう。この花は、南米チリのアンデス山脈原産です。ムラサキ色のシックな色合いと芳香を持ち、中々の人気です。50種位の野生種が存在しているそうです。
花会等に伺うと、何気に美しく比率的には多く活けられています。軸は細く、一見弱々しそうな花ですがかなり丈夫です。実際に接してみないと判らないことがあります。たまたま私はいけばなを習っております。其の為、花に触る機会が多く、その素性を活かして花を立てます。外見ではわからないことも多く有ります。そんなところを理解しながら、花を紹介できれば良いな思っています。
今からも、多くの花に出会うと思います。馴染の深い花、薄い花、初めての出会う花、様々だと思います。馴染の花には、より詳しく接してみたいと思います。また、初めて出会う花には、その花の美しさを見出し、素性を探りながら、美しさを見出していきたいと思います。
花の美しさを見出せるように、心にゆとりを持ち生きていきたいものです。(児玉)
2012年3月2日
皆様 こんにちは。
春の季を知らせる「雨水」を迎えました。早いものです。然し、まだまだ寒く、今朝は広島も薄氷が張っていました。今回は、春を晴れやかに過ごしたいと思い、「グロリオサ」を紹介します。
ユリ科の植物で、原産はアフリカ及び熱帯アジアです。別名を「ユリグルマ」・「キツネユリ」と言います。
グロリオサは、葉の先が巻ひげ状になっており、他の植物に絡み伸びていきます。高さ3mにもなることがあります。花の色が鮮やかで、赤またはオレンジです。黄色の品種もあり、また外弁と中弁の色の違うものもあります。花は下向きに咲きますが、花弁が反り返り珍しい咲き方をします。
花の色と花弁の形から、英語では「Glory Lily」(栄光のユリ)とか「Flame Lily」(炎のユリ)と呼ばれています。アフリカでは、この花を国花にしている国もあるようです。
なかなか印象的な色と花形を持つことから、花会あたりではよく見る花です。私も何度か活けてみましたが、主役に相応しい花です。
管理は簡単で、水切りで十分ですが、花粉が問題になります。ユリ科の植物と言うことで、花粉が細かく衣服や手などによく付きます。つい私たちは、その花粉を擦ってしまいますが、それは禁物です。出来れば粘着テープで抑えれば、簡単にしっかり取れます。是非試して見てください。
それともう一つ、蕾です。色々な花は蕾が咲きにくいものですが、色は薄くなりますが先まで咲いてくれます。ある意味お得感があります。切り口を新鮮にして頂くと、より咲きやすいのです。
まだまだ寒い日が続きますが、温かみのある色彩の花を飾って、いち早い春を感じてください。
さて、来週2月23日から2月28日まで、第58回広島花の祭典が始まります。会場は、広島市南区の「福屋 広島駅前店」です。今回は、大河ドラマ「平清盛」を題材にします。広島にもとても所縁があり、「厳島神社」・「音戸の日招き逸話」等様々あります。その「平清盛」を花で飾り、武家の清盛、貴族の清盛をイメージして行います。また、青い花のコーナー、変わり花のコーナー、体験コーナー等様々な企画で、皆様をお待ちしております。是非ご来場頂き、花の香りの中でひと時を楽しんでください。
2012年2月19日
いよいよバレンタインが近づいてきました。今週は、チョコレートの香りがする「チョコレートコスモス」をご紹介しましょう。
この植物はメキシコ原産で、標高2000m位に生育したそうです。どちらかと言うと「礫地」に生育していました。玉サボテンの間に突然咲くような感じだったそうです。優しい花からは想像できません。実はこの花は、定かなことは解りませんが、原産地メキシコでは絶滅しているようです。現在流通しているチョコレートコスモスは、ヨーロッパで挿し芽、球根で育成したものです。ですから、当然親株は一つしかなく、全世界に流通しているものは皆一族です。とても増殖力が弱く、同一個体内での自家受粉は出来ず、他家受粉のみで種を作るそうです。然し、現在ではそれも無理な状況のようです。
この花は、香りが良く、嗅いでみるとチョコレートの香りが若干します。色といい、香りといい、バレンタインには最適かと思います。然し強敵がいました。それはダリアです。イギリスの王宮植物園にある「メキシカン ブラック」と言う品種のものです。これもチョコレートの香りがするそうです。一般に市販されているようですが、花より香りを楽しむような品種です。
然し、このチョレートコスモスは、アレンジにいけばなに最適です。花はもちろん、花茎もしなやかで、とても表情が美しいのです。私も一度、京都の池坊の花会にいけたことがあります。自己満足ですが、なかなかイケてました。
昨今様々な花が私たちの周りにあります。色々な花をいけて、どんどんチャレンジしてみたいです。意外な花の一面に会えるかもしれません。
お知らせです!!
今週2月11日(土) 12:00~
広島市中区本通 金座街 広島パルコ入口付近 で「フラワーバレンタイン」の催しを行います。
先着3000名様に、可愛い花束のプレゼントを行います。是非この機会に、男性の方、奥様、彼女にお花のプレゼントをなさっては如何ですか?
尚、なくなり次第終了させて頂きます。ご了承ください。(児玉)
2012年2月10日
皆様こんにちは。早いもので、もう2月になってしまいました。また、最近は冷え込みが強く朝晩がつらい時もあります。
2月は、花き業界には大切な催し物があります。2月14日の「フラワーバレンタイン」です。日本にはバレンタインの日本版があり、女性が男性にチョコレートを贈り、愛を告白するというものです。女性から男性へ一方的な愛の告白です。この習慣は、消費拡大を願う業界の商法から始まったようです。昭和50年代前半から始まったようです。
諸外国では、男女を問わず恋人や親しい人に贈り物をする日であったようです。本来は、花やケーキ、カードが贈り物でした。19世紀後半イギリスでチョコレートを贈る習慣が起こったようです。
このバレンタインの起りは古く、ローマ帝国の時代に遡ります。女神ユノ(全ての神の女王、家庭と結婚の神)の祭事が2月14日で、その祭りの中で娘が名を書き、それを男子が引き、祭りの最中はパートナーになることが定められていました。その後多くのカップルが恋に落ちたそうです。また、ローマ皇帝クラウディウス2世の時代、兵士の婚姻が禁止されていました。その禁を破り、キリスト教司教のウァレンティヌスが密かに婚姻させていました。その罪でウァレンティヌスが捕まり処刑された、ユノの祝日、その日が2月14日でした。それが縁で、恋人の日になりました。これがバレンタインディーの始まりです。
私共花き業界が挙って、2月14日には男性から女性に花を贈る活動を行います。当然、広島でもその催しを行います。2月11日(土)12:00~14:00 中区本通 金座街広島パルコ入口付近で花束の無料配布を行います!是非男性の方々いらしてください!!お待ちしております。
男性が花束を持って歩くことには抵抗があるかもしれません。私自身も以前はかなり照れくさく、やっと最近持ち歩くことにかなり抵抗がなくなりました。若干の抵抗があり花ばかりだと恥ずかしいと思い、最近は葉物や枝物を取り入れて花束を作って頂きます。今回は、コデマリと月桃の葉をバラと合わせて作ってみました。
女性が花を頂くことにはいやと言うことはあまり聞きません。むしろ喜んで頂けると思います。近いうちに男性が花束を持って闊歩して、女性に花をプレゼントする日を多く見ることが出来ることを期待しております。美しい女性に、美しい花を!!(児玉)
2012年2月1日
皆様 こんにちは。早いもので睦月も中旬も過ぎ、大寒も目の前になってきました。然し、市場はもう春の花で一杯になっています。ラッパ水仙、菜の花、チューリップ等、春を代表する花のオンパレードです。皆様も御存じの通り、花のみに限らず花木にも「蒸かし物」として春の魁で出荷されているものが多く有ります。桃・レンギョ・サンシュユ等ですが、その中に「桜」があります。今週は「桜」をご紹介したいと思います。
今現在、市場には東北から「啓翁桜」が出荷されています。この啓翁桜は、花の色がとても美しいものです。何故寒い東北でと思われるでしょう。それは、木々の持つ素性を活かしたものなのです。東北の秋は早く、植物にとっては休眠の時期に当たります。その時期から美しい花を咲かせる春への準備を始めるのです。暖かい地方に比べると、より早く来春の花への準備を始めているのです。私たちは、これを「寒に会う」と言っています。
そのため、早くにハウスに入れ蒸かしても美しく開花してくれるのです。「寒」に会う時間もある程度必要になってきます。それと保温の温度の設定も必要になります。それは生産をされている方々の研讃の結果だと思います。
桜自体、非常に多くの品種があります。自然交配することでも知られています。実はこの「啓翁桜」ですが、品種改良された物です。支那桜桃と彼岸桜の交配です。ですから、枝も直ぐやかに伸び、形の美しいものです。その名前は、この桜の傑出者の名前からのようです。その素性から、アレンジや御稽古花に人気があり、また装飾の花にも人気があります。本来桜は大らかに大木になります。寿命も長いものが多く、各地に樹齢を誇るものがあります。枝垂桜や彼岸桜等、皆様方の周りにもあろうかと思います。春になると私達を夢の世界に誘ってくれます。夙に有名な「染井吉野」もその代表格です。然し、この染井吉野の歴史は然程古くありません。江戸時代末期から明治初期に江戸彼岸桜と大島桜を交配した桜です。その後花の見事さで全国的に拡がったものです。通常の桜は、結実し種を残すことにより種を絶やすことなく現在に至っていますが、染井吉野は結実することがなく、人手による接ぎ木により現在に至っています。不思議なものですね!私達の周りには、まだまだ多くの知らざれる事が沢山あります。そんなことも考えながら、植物を紹介できればと思います。(児玉)
2012年1月24日
皆様 寒中お見舞い申し上げます。様々な出来事があった昨年でしたが、皆様は如何お過ごしになられましたか?今年は辰年、運気の上昇を願い一年を過ごしたいです。
現在、市場においては季節を越えて様々な花が出荷されています。バラや菊など一年中出荷され、私達の心を潤わせてくれています。幸せなことです!そんな中でも季節を感じさせてくれる花も沢山あります。やはり春と言えば「チューリップ」ですね。
「チューリップ」は、ユリ科の植物です。和名は鬱金香(うこんこう)と呼ばれています。原産は、イランからパミール高原、ヒンドゥークシュ山脈、カザフスタンのステップ地帯です。日本には、江戸時代後期に伝来したようですが、普及するに至らなかったようです。大正時代に入って、新潟市で本格的な球根栽培が始まりました。
江戸期に日本でもあったように、オランダあたりでも17世紀初頭にチューリップ市場が行われて、愛好家に拘わらず投資の対象になっていた時期もあったようです。
球根には糖度が極めて多く澱粉に富んで入る為、オランダでは食用としての栽培も盛んで主に製菓材料として用いられた時期もあったようです。ただ、食用に適するものは専用の品種で、多くの品種はツリピンと言う毒性を含んでいるので、くれぐれも気を付けて食さないでください。
色も咲き方も種々楽しめるものです。品種改良が多く行われており、品種数は8000種ともあると言われています。通常100種類程が出回っています。花形(花弁)も剣弁・一重咲・八重咲等様々です。
チューリップ自体は、開花すると花持ちが良くありません。美しいものは長持ちしないのが世の常かもしれません。然し、生長点(花の直ぐ下の部分)を針のような鋭利なもので刺激すると、少し永めに花が持てます。また葉が垂れてくることがあります。その場合には、少し水からあげ、少し硬めの紙に巻き切り戻して水揚げをしてやると、少し違うような気がします。
今回のアレンジは、花を低く使い葉をあしらってみました。楽しい春の花「チューリップ」を楽しんでください。(児玉)
2012年1月19日
皆様 あけましておめでとうございます。今年もこのコーナー、不定期ながら続けて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
昨年は、未曽有の災害が起きました。この災害で命を落とされた方も数知れず、様々な方に被害が及びました。亡くなられた方々のご冥福を祈ります。然し、被害を受けられた方々の復興に掛ける意気込み等、元気な声がマスコミから聞こえてくるととても嬉しく思います。
今回は「葉ボタン」をご紹介したいと思います。ハボタンと言う名で皆様方に親しまれていますが、何故?と思います。それは名前の由来から来ています。葉の様子がボタンの花に似ているからだそうです。日本人は名前つけるのが上手いと思います。
葉ボタンは、アブラナ科の植物です。要は、キャベツ・ブロッコリーと同じ仲間です。よくよく見ると・・・。ちょっと硬いかもしれませんが・・・。
葉ボタンの歴史も古く、江戸時代の貝原益軒の書物にも記されており、私達には馴染の深い植物です。江戸中期に様々な植物が品種改良され始めた中の一つのようです。渡来の時期は、鎌倉中期または江戸時代初期と言われています。
今回は、その葉ボタンを使ってアレンジをして見ました。最近は、吸い上げの色付きの葉牡丹も多く出荷せれており、既存のイメージを一新する葉ボタンもあります。是非一度アレンジに使って見てください。
一年は早いものです。夏から書きはじめ、あっという間に年の暮です。一年間、様々な花に出会い、様々な花を活けてきました。最近は心の余裕がなく、花と話が出来なく少し寂しい思いをしています。冒頭にも書きましたが、来年こそは、美しい花がより美しく見えるような心のゆとりを持ちたいものだと思っています。(児玉)
2012年1月3日
皆様 こんにちは。週間天気予報では、全国的な冷え込みが予想されています。巷では、インフルエンザの流行の兆しが報じられてもいます。皆様、呉々も風邪を召されませんようお気をつけください。やはり、手洗いと嗽ですね。然し、植物は其の術を持ちません。以前より山を見渡すと処々に立ち枯れの木々を見ます。特に近年は、様々な環境の変化や私共人間が排出するガス等により、より植物の生育環境の劣化が見受けられます。
広島は、以前は「松茸の産地」とした全国に名をはせていました。最近は、収穫の表年、裏年はあるものの、以前に比べると収穫量が落ちているようです。山の維持管理も然り、病害虫の影響もあります。
然し、「松」は私達日本人にとってはシンボルツリーなのです。古く太古の時代から、松は神々が降り立つ場所として信仰の対象とされました。名前の由来も、神が降り立つのを「まつ」に由来するとも言われています。常緑でもあることから、いつまでも変わらない緑葉ということで、いつまでも元気で長寿の意味をも持ちます。また、混乱期の折には、燃料とした私たちを支えてきました。そんな「松」は、切り花、造園の世界では切っても切り離せないものでもあります。
いけばなの世界では、三木(松・檜・伊吹)であり、その頂点を極めている。前述の如く、常緑で縁起が良く、手に入り易い花材であったのです。(現在はかなり難しくなりました。)と言うことは、私たちの身近に如何に多く有ったかということです。実際いけばなに使ってみると、作品が締まってくるのです。
先日、恒例の正月用「松市」が催されました。今年は様々な出来事がありましたが、お陰様で活況のうちに終わることが出来ました。その中で一番扱いが多いのは「若松」です。
広島には、兵庫・愛媛・茨城等松の産地から入荷いたしました。この若松、出荷までに約3~4年を要します。その他の松は、それ以上の年数を要します。
縁起を担ぐ松ですが、松脂がついてなかなか厄介です。然し、簡単に取れる方法もあります。それは微温湯です。暫くつけて、固形石鹸で洗うと簡単に取れます。私も松を活けていると、この松脂に泣かされます。少し気を付けて行うと大丈夫です。嫌がらずに、今年は松のアレンジに挑戦してください。参考までにアレンジをして見ました。松は小さく使いましたが、最近は寿松と言って短い葉の松もあります。様々な松も沢山出回っています。お好みの松を探して見てください。
2011年12月10日
皆様 こんにちは。早いもので師走に入りました。年々冬の気温が高くなっているようですが、季節を察知して営みを繰り返す植物達は、私たちに着実に冬の訪れを知らせてくれます。そのような花々の中で、冬の女王をご紹介しましょう。
「陰の花、水仙に限る。」と言われ、花木の全盛の時期の草花は「水仙」を於いて他にありません。現在は、栽培技術の驚異的な躍進のお陰で、私たちは年中様々な花を見ることが出来ます。冬でも、春の花や夏の花が生産されて、私達の目を和ましてくれます。心の癒しになっています。然し、季を重んじ、当季にのみその美しさを見せる花も沢山あります。私達も、美味しい食物を頂きますが、旬に頂くのが一番美味しいと思います。珍しさのみを追求することも必要なのかもしれませんが、花も当季に見る美しさは格別と思います。
日本水仙として各地で親しまれていますが、原産地はどこなのでしょう?日本と名が付いていますので、つい日本と思ってしまいますが、実は遥か地中海沿岸が原産なのです。様々な文物と同じようにシルクロードを経て、中国に辿り着いたようです。それから海を漂い日本に漂着したようです。日本海側に自生地が多いのはそう言う理由です。
花葉も美しく、花弁は白く、内側の3枚は萼の変化したものです。葉は、直ぐやかに伸び、冬の寒さに凛と佇む姿は「真」の形相を呈しています。いけばなの世界でも、一種類でいけることを許された格の高い花として扱われています。
花の美しばかりではありません。馥郁たるを放ち、私たちを魅了してくれます。この時期、ついこの香に魅かれ、暫し手を止めることがあります。また、姿も素晴らしく、直ぐく伸びあがる葉、その中央に咲く可憐な花。水に映し出されて仙人の姿と見紛うようです。(水仙の名前の由来と言われる。)冬の寒さに耐え、命の強さを感じます。
水仙は、なかなかうまく活けることが出来ません。いけばなの世界も同じで、松、水仙、杜若が上手く活けられれば・・・と言われています。私共が家庭でいけるにも、花瓶に挿すと花瓶の底まで落ち、なかなか格好にならないものです。そんな水仙を身近でアレンジできると良いといつも思います。そんな思いをアレンジにして見ました。給水性スポンジに挿すときに一工夫です。花は茎の中心部が空洞になっており、スポンジに挿し難いため、あらかじめ竹串か楊枝を挿したい角度に挿して於き、そこへ花を挿し少しスポンジにも入れます。葉も同じ要領で、楊枝か針金を使うと良いと思います。
「冬の花」は水仙に限ります。今年は是非試みてください。香りと姿をご堪能ください。
2011年12月5日
皆様 こんにちは。冬を呈する頃となりましたが、年々寒さが薄れるようにも思えます。
この時期に似合う色があります。寒さを感じるかと思いますが、「ムラサキ」が心を引き締めてくれます。ムラサキ色の花は数々ありますが、今回は「バンダ」をご紹介したいと思っています。
ラン科の植物は沢山あります。世界には700属5000種が認められています。そのうち日本には75属230種あります。ランは、美しさの代表のように言われ、実際美しい花が多いのです。そのため採取され、絶滅に瀕する種も多くあります。すべての花は、自然に咲いているからこそ美しいのです。ラン自体は、南極を除く全ての大陸の温帯から亜寒帯に自生しています。裸子植物の中では、一番最後に地球上に現れた植物です。その為、それまでに誕生していた植物に良い環境を占領されてしまいました。ランは、その残った過酷な環境で生息することになったのです。実際ランの生育環境は、ある意味過酷な暑さや湿気の中にあります。
「バンダ」は、ムラサキ・ピンク・黄と色が鮮やかに咲く花です。東南アジアに自生し、約60種が知られています。多くは樹木に着生する着生植物です。ランの中でも耐寒性が強い種類ですが、5℃は必要です。また多くのランは塊茎を持っていますが、「バンダ」はそれを持っていません。
この4~5年、よく「花会」で見かけます。その鮮やかな色合いは、作品にインパクトを与え、観客の方々を魅了しています。幾つもの作品に使用されていますが、ムラサキの持つ神秘的な色に敵うものはない様です。
今回は、モミジとバンダを合わせてアレンジをして見ました。色彩的にはかなり際どい取り合わせですが、意外に美しく鮮やかでした。今後も色々なチャレンジを行ってみたいと思います。
2011年12月5日
皆様 こんにちは。11月も半ばを迎え、木々の色も変わり季節の移ろいを感じる頃になりました。然し、例年に比べると紅葉の鮮やかさが・・・・・。その紅葉が終わると、木々は寒々として、目につき始めるのが蔓(かずら)です。この蔓、なかなか厄介なもので、他の植物に絡みつき木々を枯らすこともあります。そんな蔓物も私達の生活に密着しています。
蔓が全てではありませんが、皆様よく御存じの「唐草文様」は蔓をベースにしています。「唐草」は、古くメソポタミアやエジプトにその原型を見ることが出来ます。つい「唐草」と言う字を見ると、古く中国から発した文様の如く思ってしまいます。多くのものが伝わって来たのと同じように、シルクロードを経てやって来ました。
欧州では、「アラベスク」として親しまれています。「唐草」には、ロータス・パルメット・アカンサス等あります。その他の多くの植物を取り込み、唐草文様を創りあげています。唐草文様になった植物以外のものもそうですが、その生命力の強さに「繁栄」を当て嵌め、身近にそのデザイン化した文様を於いたのです。
それをより身近に、簡略化していったのが日本人なのです。主な種類に、「蔦」・「忍冬」・「葡萄」、仏教の影響もあり「蓮」・「水蓮」等があります。少し変わったところでは、マツボックリ・ユリの花・月桂樹の葉もあります。
その中で、「忍冬(スイカズラ)」について少しお話してみましょう。スイカズラの名前の由来は「吸い葛」に由来し、花を咥えて甘い蜜を吸っていたことに始まります。砂糖のない日本では、砂糖代わりに使用したとも言われています。英名のHaneysuckle(ハニーサックル)がそれを表しています。他にも利尿・鎮痙に薬効があり、かなり日本人には身近な植物だったようです。
普段何の気なしに接している植物ですが、私達にはとても重要な且つ身近なものなのです。そのような植物をより身近に置き、文様化していった人々。植物の大切さを感じているからこそのことだと思います。私達現代人も、もう一度周りの植物に目を向けてみたいものです。(児玉)
2011年11月16日
皆様 こんにちは。10月31日に感謝祭を迎え、いよいよ11月に突入です。最近よく思うことがあります。年々歳々1年が早く過ぎていくような気がします。特にこの一、二年よく感じます。やはり年ですかね?
さて、今回は「カボチャ」をご紹介します。市場には早くから出回っています。とても大きいものから小さなものまで、形も種々様々なものまで枚挙暇がありません。一つ一つ見てみると、なかなか愛嬌のあるものです。
このかぼちゃは、本来飼料用に栽培されているものです。オレンジ色のものが主流です。私たちが食べる「南京」はとても表皮が固く、煮物にする時怪我をしそうになります。然し、このカボチャは少し柔らかいような気がします。実際カービングしてみると、わりに細工しやすいものです。不器用な私でも簡単に細工出来ました。
現在栽培されているカボチャは、大きく分けて3種類あるそうです。「西洋カボチャ」・「東洋カボチャ」・「ペポカボチャ」です。感謝祭に使うカボチャは、ペポカボチャだそうです。ズッキーニも同種とのことです。
感謝祭(ハロウィン)は、もともとヨーロッパを起源とし、ケルト人の行う収穫感謝祭が広まったもののようです。またある意味、日本のお盆のような行事も含まれているようです。日本に入ってきたのは定かではありませんが、秋の行事として行われるようになったのは、2000年以降だそうです。その後徐々に浸透して行き、現在に至っています。愛らしいランタンが印象的で、人気を博しています!
今回はそのカボチャを、花器に見立て、赤いグロリオーサをランタンの明かりに例えてアレンジをして見ました。カボチャはどっしりしており、花器としても使えます。花の美しさは、様々なものに例えることが出来るような気がします。私も、花の美しさに習い、心美しく生きていきたいものです。(児玉)
2011年10月31日
皆様 こんにちは。久しぶりに何事もない日々が続いているような気がします。季節の巡りも早く、広島の地にもマツタケの声をちらほら聞く候になって参りました。
さて、今回は「カーネーション」にスポットを当ててみましょう。この時期に何故と思われる方もいらっしゃるかと思われますが、実はNHKの朝の連続テレビ小説つながりでのご紹介です。花言葉は、「情熱」・「母の愛情」と言われています。間違えなく「赤」のカーネーションには情熱を感じます。
カーネーションは、江戸時代初期以前に渡来しました。当初はなかなか日本に(日本人)馴染まなく、寛文年間の四代将軍家綱の時代に再渡来して根付いたようです。当初は「アンジャ」(蘭)と呼ばれたようです。とても鮮やかな花だったのでしょうね。
カーネーションの語源は、CORONA(冠)に由来するそうです。花の形が似ているからという説が有力なのです。ナデシコの総称「ダイアンサス」は、「神の花」という意味があるそうです。また花の色から、肉の色を連想したとも言われています。17世紀のイギリス、オランダでは、既に300種以上の品種があったと言われています。
母の日だけに尊ばれる「赤いカーネーション」。そんなカーネーションにも、歴史があります。
赤いカーネーションとキイチゴでアレンジを作ってみました。意外にも綺麗なのです。意外や意外!!江戸時代の人々が「アンジャ」と名付けた理由がわかるような気がします。私たちは、つい固定観念に捕らわれてしまいます。花の持つ素敵な美しさを忘れがちです。赤いカーネーションを見てそのことを思いました。
「情熱の赤」、先日見たアルゼンチンフラメンコの踊り子を連想しました。いつまでも情熱を持ち、生き続けたいと思います!(児玉)
2011年10月19日
皆様 こんにちは。先日の台風12号では、甚大な被害が出ました。お亡くなりになられた方、行く方の不明方が沢山いらっしゃりとても驚いています。お亡くなりになられた方のご冥福と、行方不明の方々のご無事をお祈りいたします。
さて、今回は「重陽の節句」と「仲秋の名月」が続いて訪れます。重陽の節句が9月9日(金)、仲秋の名月が9月12日(月)です。
「重陽の節句」は、別名「菊の節句」と言われます。旧暦では、この時期「菊」の花がとても美しい時期です。まさに旬です!古来から、菊の美しさは人々を魅了してきました。美しさのみならず、菊の花の香りも楽しまれました。宮中では、重陽の節句の時期に、菊の花に綿を被せ、それを夜露に合わせていました。その綿に香りを移し体を撫でていたりしていたようです。中国では、不老長寿の薬としての信仰があり、鑑賞用としてではなく薬用として栽培されていたようです。という事から、平安時代には重陽の節会という行事が行われ、菊の香りを移した菊酒を飲み邪気を祓い長命を願うと言う風習もあったようです。現在は、仏事の花としてかなり流通していますが、以前は様々に私達の身の回りにあった花でした。後に品種改良等が進み、現在も菊人形展等が催されています。現在は、薬用ではなく鑑賞用として私達の目を和ましています。
「仲秋の名月」は、ススキと団子のお飾りで代表されます。月を愛でるということは、古く縄文時代からあったようです。中国から仲秋の十五夜に月を見る祭事が伝わると、平安時代頃から貴族の間で観月の宴等が催されたようです。別名を尾花と言い秋の七草の一つに数えられています。また、私達の生活には密接な植物で、屋根を葺く材料とされていました。その為茅を管理する組織も村々にあったようです。炭俵、草履、箒にも利用されました。多くの植物が薬用として使われてきましたが、ススキは私達の生活を支えるにあたって、数多くの用具を作るに当たっての必需品でした。然し、何故御月見にススキなのでしょうか?「備後国風土記」の逸文にある「蘇民将来」の神話に事を発しているようです。
その中に、蘇民将来に心安く宿と提供し、貧しい中でもてなしをした領民に茅の輪(ちのわ)を授けた。その茅の輪を付けた領民は、疫病から身を守られたそうです。その茅(ち)は生命力が旺盛で、神秘的な魔除けの力を有すると考えられました。それが後々大祓として6月と12月に行われ、6月の大祓が夏越の祓、夏越の神事として残りました。その神事に神話の茅が使われ、夏越の祓いに「茅の輪潜り」(ちのわくぐり)を行うようになりました。それが家庭にも持ち込まれたのではないかと思います。それが仲秋のススキに繋がっているように思います。一説ですが、ススキの「スス」は葉がまっすぐ伸びる姿、「キ」は芽が萌え出る意味を持つそうです。
昨今は、気象状況の異変で様々な出来事があります。私達も、植物のように生命力旺盛に生き抜きたいですね!(児玉)
2011年9月8日
皆さん こんにちは。今回より、花 “うたかた”と題して、毎週水曜日午前11時半にNHK広島で放映されています「ひろもり 新鮮市場」で紹介した「花」を、より楽しく紹介させて頂くことになりました。どうぞ宜しくお願い致します。また「ひろもり」も御覧いただければ幸いです。
今回は、秋を代表する「リンドウ」を紹介させて頂きます。
リンドウは、リンドウ属リンドウ科の植物です。本州から四国・九州の湿った野山に自生します。釣鐘型の花を、茎の先に上向きにいくつも咲かせます。以前は、田の畔等にアキノキリンソウ等と咲き乱れていましたが、環境の変化によりなかなか見ることが出来なくなりました。
現在流通しているリンドウは、エゾリンドウは、を品種改良したものです。自然では、草丈が20cm~60cm位ですが、品種改良の御蔭で1mを超えるものもあります。色も様々あり、写真で紹介しているのはほんの一部です。現在市場では、20種程、皆様のお手元に届けられています。
リンドウ自体、どちらかと言うと栽培は寒・高冷地に適しています。暖地ではなかなか株を維持出来ません。
また生薬としても有名で、漢方では根を竜胆と言い、健胃剤として利用されます。古名を「エヤミグサ」(疫病草・笑止草)と言います。疫病に効く?のかもしれません。笑止草とも書きますが、おそらく笑いが止まるくらい苦いという理由からきているように思います。
文献には、和名抄(931~938年)に和名としてニガナ・エアヤミクサとして著されています。出雲国風土記にも著され、「枕草子」にも描写されています。
リンドウは咲かないとよく言われますが、日が当たると開花します。部屋の中でも、若干陽が射す所におくと開花します。不思議なものです。水揚げは良い方ですが、節の部分が折れやすく、つい節を折って水につけてしまいますが、節の部分は繊維が詰まっていますので水が揚がり難いのです。出来れば、節と節の間を切るか、折ると良いと思います。折ると水に当たる面積が、切った状態より大きくなるので水を吸い上げ易いのです。また花が沢山付いているので、より多くの水分を花に送り込む為にも出来る限り余分な葉は取り除いた方が良いと思います。
リンドウをはじめ様々な花が、私達の生活に潤いを与えてくれています。身近な食物、生薬、そして心の糧としてです。そんな「うたかたの花」を身近に置いて、ひと時の憩いを持って頂ければ幸いです。(児玉)
2011年8月28日
鎮静効果 スキンケア効果 記憶力向上効果 抗ストレス効果 仕事の効率向上効果 安眠効果 集中力持続効果 健康促進効果 ポジティブ思考誘導効果 眼精疲労回復 浄化効果 免疫力維持・向上効果
アジサイ ガクアジサイ シャクナゲ ボタン カラー(湿地性) カラー(畑地性) カーネーション ヒメノボタン クレマチス イソトマ ガーベラ センニチコウ ブーゲンビリア ペラルゴニウム ハイビスカス パキスタキス アメリカンブルー ジニア(百日草) デュランタ フウセンカズラ カリブラコア カランコエ マダガスカルジャスミン アンゲロニア セレナ トウガラシ エキザカム ルリマツリ ハナスベリヒユ(ポーチュラカ) アサガオ キク(菊) クロサンドラ アザレア シクラメン コスモス キンモクセイ シャコバサボテン ポインセチア プリンセチア
ブルースター ガーベラ スプレー菊 スカビオサ バラ カーネーション アジサイ ひまわり りんどう クルクマ トルコキキョウ 蓮
ポトス スパティフィラム サンスベリア クワズイモ グズマニア ハートファーン(イヌアミシダ) オリヅルラン ストレリチア(極楽鳥花)